長唄『島の千歳』のこと Nagauta "Shima no senzai"
『島の千歳』は、昨夏浴衣ざらいで私が踊った演目です。
タイトルは、実在したとされる人物の名前です。『平家物語』で「鳥羽院の時代に、島の千歳、和歌の前という、二人が舞いだしたのが白拍子の始まり」と記されています。
そもそもこの『白拍子』という言葉、現代日本では、日本舞踊や歌舞伎以外の場で、ほぼ馴染みの無い単語ですが、
平安時代末期から鎌倉時代にかけて発生した、歌舞そのもの、またはそれをを演じた遊女達を指します。
つまり『島の千歳』さんが『和歌の前』さんと一緒に、『鳥羽院』様の前で歌い舞い始めたスタイルが、『白拍子』という名の芸能として鎌倉時代頃まで続いた、というところでしょうか。
それ以来、その『白拍子』を演じた芸人(当時は遊女と呼ばれる)も総称『白拍子』と呼ばれます。
これも、現代に分かり易い置き換えをすれば、お巫女さんとホステスのミックスのような存在だったんじゃないか・・?と思うんですが・・
Nagauta "shima no sanzai" is the piece that I danced at last summer's mini recital.
The title "Shirabyoshi" is the name of the person who started this entertainment about 900 years ago. The performers who performed that type of entertainment were, also, called "Shirabyoshi" .
1 立烏帽子(たてえぼし) Tateeboshi
2 白の水干(すいかん) Suikan
8 白鞘 巻(しろさやまき)の太刀(たち) Shirosayamaki no Tachi (Sword)
9 蝙蝠(かわほり)[扇(おうぎ)]Kawahori (Fan)
『白拍子』さん達は上記のような、つまりは男装をし、『今様』という、平安時代中期当時のいわゆる流行歌を歌いながら舞い踊り、神・人双方を慰める役を担っていた、と言われます。
男舞の凛々しさと女性の持つたおやかさの不思議なバランスに、権力者たちは魅せられ、こぞって好みの白拍子を寵愛しました。そして、その権力の趨勢とともに、歴史の流れにはかなく翻弄される白拍子達・・・よく知られるのは、清盛の祇王・祇女、義経の静御前などですね。
白拍子は、江戸時代の遊女の華やかなイメージとはまた違う、神秘的な存在です。
こうして背景を知ると、演じるイメージが鮮やかになる気がします。。
ところで、この曲は、作詞者が大槻如電ということで、私の地元・一関に所縁があります。
そのお話は、また次回に・・・
The picture above is "Shirabyoshi's" costume style. It was a mannish style at that moment. They wore mannish costumes and sung "Imayo" hit songs at that time and danced to comfort Gods and people.
Women, dressed in mannish style, had a mysterious attraction. Such a background, I researched, made the image for my dance more vivid.
The lyrics of this song, " Otsuki Nyoden" relates to my home town "Ichinoseki".
I'll write about it next time.
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